海外旅行の際には多くの人が検討する海外旅行保険。そんな時に海外旅行保険が自動付帯しているカードを持っていると、旅行の度に加入手続きなどの必要がなく便利です。
今回は、クレジットカードに自動付帯している海外旅行保険と保険会社の保険の違いや、保険付帯のおすすめクレジットカードをいくつか紹介します。
クレジットカードに付帯している海外旅行保険とは?
クレジットカードに付帯している海外旅行保険は、クレジットカードの会員サービスのひとつであり、加入のための手続き等は不要で利用できる保険です。
名前の通り、海外旅行でトラブルがあったときに補償してくれるサービスで、万が一ケガや事件に巻き込まれてもこの保険さえついていれば、補償範囲内で様々なサポートを受けられます。
補償内容はカード会社やカード種別によって異なりますが、旅行中の負傷・発病などが原因の死亡や後遺症のほか、他人に損害を与えた場合の損害賠償額や、損害賠償請求に対応するために雇った弁護士費用、携行品の紛失や盗難などが対象になることが一般的です。
別途契約をしなくても、クレジットカードを持っていればつく保険のため、加入手続きの手間や個別の保険料などがかからない分、手軽に活用できます。
ただ、クレジットカード付帯の海外旅行保険には、持っているだけで利用できる「自動付帯」と、カードでの支払いが条件の「利用付帯」がありますので、自分のクレジットカードがどちらなのかを必ず確認しておきましょう。
また海外旅行で効率的にマイルを貯めるには、以下のようなポイントもチェックしましょう。
航空会社や会社の同盟であるアライアンスごとに、交換できるマイルが決まっています。どの航空会社を利用する機会が多いかをチェックしておくと、効率よくマイルを貯めることが可能です。また、マイル交換時に手数料がかかる場合もあるので注意しましょう。
引用元:クレジットカード おすすめ(WAVY COLUMN)
保険会社の保険との違い
保険会社の保険とクレジットカード付帯保険の大きな違いは以下の通りです。
- 補償期間
- 補償額
- 補償内容
保険会社の保険とクレジットカード付帯保険では、まず補償される日数が異なります。
クレジットカード付帯の海外旅行保険の場合、補償期間は60日~90日間程度が目安です。そのため、それ以上の長期旅行の際には保険会社の保険に加入する必要があります。
また、クレジットカードの自動付帯保険は、通常の保険会社に比べると補償額が少ない傾向にあります。
疾患死亡や航空機遅延費用などが適用外になることも多いため、基礎疾患がある人や補償額を重視する人は保険会社の海外旅行保険にも一緒に入っておくと安心です。
海外旅行に行く前に、自分が持っているクレジットカードの補償内容を確認し、必要な補償が含まれているかどうかを把握しておくようにしましょう。
クレジットカードの海外旅行保険は合算も可能
クレジットカードを複数枚所持していると、補償内容によっては補償額の合算ができます。
合算できる可能性が高いのは以下の項目です。
- 病気
- ケガ
- 賠償責任
- 携行品損害など
これらについては、複数枚のクレジットカードを所持している場合、それぞれの補償額が合算されるため、1枚あたりの補償金額が少なくても充分な補償を受けられる可能性があります。
一方で、死亡や後遺症が残る障害を受けた場合は、適用される海外旅行保険の中で一番高額の補償額が支払われ、補償額を合算できないことが多いです。
保険会社の海外旅行保険であればクレジットカードの保険と合算できるので、不安な方は両方入っておくことをおすすめします。
クレジットカードに付帯している海外旅行保険の主な補償項目
クレジットカードに付帯している海外旅行保険の代表的な補償項目を見ていきましょう。
主に補償される項目は以下の通りです。
- 傷害治療費用
- 救援費用
- 携行品損害補償
- 死亡・後遺障害に対する補償
それぞれ詳しく見ていきましょう。
傷害治療費用
傷害治療費用とは、カード会員が海外旅行中にケガをして、現地の医療機関または帰国後一定期間以内に国内の医療機関により治療を受けたり入院した場合の「治療費用」のほか、「通訳雇用費用」、入院によって必要になった「身の回り品購入費」などが補償される項目です。
救援費用
救援費用とは、カード会員が海外旅行中に遭難した場合の捜索費用や、ケガ・発病などが原因の入院や死亡の際に家族が駆けつたときの渡航費・宿泊費・現地での必要物品の調達費用、被保険者の国内への移送費用などを補償するものです。帰国後にクレジットカード会社の保険デスクに連絡し申請することで受け取れます。
携行品損害補償
携行品損害補償とは、海外旅行中に携行する所有物が盗難に遭ったり破損した場合に支払われる補償です。補償金額には上限額(1回の旅行中の上限額や、携行品1つ当たりの上限額)がありますが、実際に受け取れる金額は時価になることが一般的です。
時価とは、携行品を使用した期間分を「消耗」と考え、その消耗分を携行品を新たに購入する金額から差し引いた額を指します。例えば、6万円で購入した携行品が破損したとき、購入してからの経過年数分の消耗が3万円だったとすると、実際に補償される金額は3万円、という形になります。
傷害死亡・後遺障害
傷害死亡・後遺障害の補償は、海外旅行中に事故によって負傷し、そのケガが原因で事故発生日から一定の期間内に死亡したり、後遺症が生じたときに保険金が支払われます。保険金額は、死亡の場合は100%、後遺症の場合は程度に応じた金額が支払われることがほとんどです。なお、先に後遺症による補償がなされた後に死亡した場合は、差額が支払われます。
その他の補償項目
その他の保険としては、損害賠償責任などがあり、カード会員が海外旅行中に他人に損害を与え、損害賠償請求をされた際に適用されます。帰国後にクレジットカード会社の保険デスクに連絡し申請することで受け取れます。
また、同行した家族に事故があった場合に補償が適用されるクレジットカードもあります。
海外旅行保険付帯のおすすめクレジットカードランキング
クレジットカードに付いている海外旅行保険は会社によって異なります。
せっかく選ぶなら、よりお得で、自分に合った補償内容があるクレジットカードを選びたいものです。
ここからは、海外旅行保険の内容が充実しているおすすめのクレジットカードを紹介します。
カード名 | 券面 | 年会費 | 保険・補償内容 |
---|---|---|---|
エポスカード | 永年無料 | 海外旅行保険:最大2,000万円 | |
セゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード | 22,000円 | 海外旅行傷害保険:最大1億円ショッピング安心保険:年間300万円 | |
三井住友カード | 初年度無料(2年目以降1,375円) | 海外旅行保険:最大2,000万円海外ショッピング保険:100万円 | |
ライフカード | 永年無料 | 海外旅行保険:最大2,000万円 | |
JCBカード | 初年度無料(2年目以降11,000円 | 海外旅行保険:最大1億円海外ショッピング保険:500万円 | |
イオンゴールドカード | 11,000円 | 海外旅行保険:最大10,000万円海外ショッピング保険:500万円 |
エポスカード|旅行保険が自動付帯
年会費 | 永年無料 |
ポイント還元率(通常時) | 0.50%~1.25% |
ポイント利用例 | エポスポイント・JALマイル・ANAマイル |
国際ブランド | VISA |
追加機能 | ETC・QUICPay・楽天Edy・Apple Pay・Google Pay・楽天ペイ |
保険・補償 | 海外旅行保険:最大2,000万円 |
新規入会特典 | - |
申し込み対象 | 18歳以上(学生可) |
エポスカードは、年会費が無料にもかかわらず補償内容が非常に充実しているのが特徴です。
- 傷害死亡・後遺障害:最高500万円
- 傷害治療費用:200万円(1事故の限度額)
- 疾病治療費用:270万円(1疾病の限度額)
- 賠償責任(免責なし):2000万円(1事故の限度額)
- 救援者費用:100万円(1旅行・保険期間中の限度額)
- 携行品損害(免責3,000円):20万円(1旅行・保険期間中の限度額)
基本的な補償項目はおおかた含まれているカードなので、海外旅行が決まったら絶対に持っておきたい1枚です。
セゾンカード・アメリカン・エキスプレス・カード|最大1億円の保険が付帯
年会費 | 初年度無料 (2年目以降22,000円) |
ポイント還元率(通常時) | 0.50%~1.00% |
ポイント利用例 | Tポイント・楽天ポイント・ANAマイル・JALマイル・スカイマイル |
国際ブランド | Mastercard |
追加機能 | ETCカード・家族カード(3,300円)・iD・QUICPay・楽天Edy・Apple Pay |
保険・補償 | 海外旅行保険:最大1億円 国内旅行保険:最大5,000万円 海外ショッピング保険:300万円 国内ショッピング保険:300万円 |
新規入会特典 | 初年度年会費無料※1 各種税金・年金支払いで最大20,000ポイントプレゼント※2 新規入会・利用で最大10,000円相当ポイントプレゼント |
申し込み対象 | 個人事業主または経営者の方(学生、未成年を除く) |
※1 2021年2月15日〜2021年5月6日申込分
※2 2021年1月11日〜2021年3月31日申込分
セゾンカード・アメリカン・エキスプレス・カードは初年度の年会費が無料ですが、2年目以降22,000円の年会費が必要になります。
具体的な補償内容と補償金額は以下の通り。
- 傷害死亡・後遺傷害:1億円
- 傷害治療費用:300万円
- 疾病治療費用:300万円
- 賠償責任:5,000万円
- 携行品損害:50万円
- 救援者費用:300万円
- 寄託手荷物遅延費用:10万円
- 寄託手荷物紛失費用:10万円
- 乗継遅延費用:3万円
- 出発遅延費用:3万円
海外旅行保険が充実していて、ステータス性も高いクレジットカードですので、海外旅行をより充実させたい!という方におすすめです。
三井住友カード|自動付帯最大300万円付き
年会費 | 初年度無料(2年目以降1,375円) |
ポイント還元率(通常時) | 0.30%~2.50% |
ポイント利用例 | Tポイント・楽天ポイント・Pontaポイント・dポイント・nanacoポイント・WAONポイント・ベルメゾンポイント・Gポイント・ヨドバシカメラゴールドポイント・PeXポイント・ジョーシンポイント・ビックポイント・ANAマイルなど |
国際ブランド | VISA・Mastercard |
追加機能 | ETC(550円)・家族カード(400円)・楽天Edy・iD・WAON・Apple Pay・Google Pay・楽天ペイ |
保険・補償 | 海外旅行保険:最大2,000万円 海外ショッピング保険:100万円 国内ショッピング保険:100万円 |
新規入会特典 | 最大12,000円相当プレゼント |
申し込み対象 | 18歳以上 |
三井住友カードに付帯している海外旅行保険は以下の通り。
- 傷害死亡・後遺障害:自動付帯分300万円、利用条件分1,700万円
- 傷害治療費用:100万円
- 疾病治療費用:100万円
- 賠償責任:2,500万円
- 携行品損害:20万円
- 救援者費用:150万円
三井住友カードは、カード番号が印字されていないナンバーレスカードですので、セキュリティ面もばっちり。
自動付帯と利用付帯で補償額がわけられることもあるため、より手厚い補償を受けたい場合にはカード利用をしておくことをおすすめします。また、24時間365日日本語でのサポートサービスを行っているので万が一のトラブルの際にも安心です。
ライフカード|最大2,000万円が自動付帯
年会費 | 永年無料 |
ポイント還元率(通常時) | 0.30%~0.60% |
ポイント利用例 | dポイント・JALマイル・pontaカード |
国際ブランド | VISA・MasterCard・JCB |
追加機能 | ETC・家族カード・iD・楽天Edy・apple Pay・Google Pay |
保険・補償 | 海外旅行傷害保険:最大2,000万円 国内旅行傷害保険:最大1,000万円 シートベルト傷害保険:200万円 |
新規入会特典 | 初年度ポイント1.5倍 |
申し込み対象 | 18歳以上 |
ライフカードに付帯している保険は以下。
- 傷害死亡・後遺障害:最高2,000万円
- 傷害治療費用:最高200万円
- 疾病治療費用:最高200万円
- 救援者費用等:最高200万円
- 個人賠償責任危険:2,000万円
- 携行品損害:最高20万円
ライフカードは年会費が無料な上に海外旅行保険のほかさまざまな保険が自動付帯であることが特徴。
年間利用額に応じてポイントステージが上がるので、使う年数が長ければ長いほどお得です。
JCBゴールド|幅広い保険が利用できる
年会費 | 初年度無料(2年目以降11,000円 |
ポイント還元率(通常時) | 0.30%~5.00% |
ポイント利用例 | 楽天ポイント、Pontaポイント、dポイント、nanacoポイント、WAONポイント、ANA SKY コイン、ANAマイル・JALマイル・スカイマイルなど |
国際ブランド | JCB |
追加機能 | 家族カード(1,100円)・ETC・QUICPay・QUICPay・楽天Edy・Apple Pay・Google Pay |
保険・補償 | 海外旅行保険:最大1億円 国内旅行保険:最大5,000万円 海外ショッピング保険:500万円 国内ショッピング保険:500万円 |
新規入会特典 | ①新規入会・利用で5,000円分プレゼント※ ②スターバックスオンライン利用で8%還元キャッシュバック※ ③家族カード入会で最大4,000円分プレゼント※ |
申し込み対象 | 20歳以上 |
※2020年10月1日(木)~2021年3月31日(水)ご入会分
JCBカードの海外旅行保険は以下。
- 傷害死亡・後遺障害保険金:最高1億円
- 乗継遅延費用保険金(客室料・食事代):2万円
- 出航遅延費用等保険金(食事代):2万円
- 寄託手荷物遅延費用保険金(衣類購入費等):2万円
- 寄託手荷物紛失費用保険金(衣類購入費等):4万円
- ショッピング保険:最高500万円(自己負担額3,000円)
海外で利用するとポイントが2倍貯まるJCBGOLD。空港ラウンジサービスや海外旅行保険も充実しています。
電話一本で旅行の手配を行えるサービスもあり、海外旅行まで時間がない、ラウンジサービスを受けたいという方は早めに発行しておくと良いでしょう。
イオンカードゴールド|年会費無料で高額な保険が付帯
年会費 | 無料 |
ポイント還元率(通常時) | 0.50%~1.33% |
ポイント利用例 | ときめきポイント・JALマイル |
国際ブランド | Visa・Mastercard・JCB |
追加機能 | ETCカード・家族カード・WAON・Apple Pay・楽天ペイ |
保険・補償 | 海外旅行傷害保険:最高5,000万円 国内旅行傷害保険:最高3,000万円 |
新規入会特典 | なし |
申し込み対象 | 年間カードショッピング100万円以上の方 |
イオンゴールドカードの付帯保険は以下。
- ショッピングセーフティ保険:年間最高300万円
- 盗難保険
- 傷害死亡・後遺障害保険金:最高5,000万円
- 傷害による治療費用:1事故300万円
- 疾病による治療費用:1疾病300万円
- 携行品損害:年間最高30万円
- 賠償責任:1事故の限度額3,000万円
- 救援車費用:年間限度額200万円
イオングループで利用するとポイントが貯めやすいイオンゴールドカードですが、海外旅行保険も充実しています。
年会費無料で各種保険が付帯しているため、よくイオンを利用する方、海外旅行に行く方は持っておいて損はないカードです。
海外旅行保険付きカードの選び方
海外旅行保険付きカードを選ぶときに注目しておきたいポイントは、以下の通りです。
- 自動付帯なのか利用付帯なのか
- 補償内容
- 家族の海外旅行保険の有無
- 保険金額請求の流れ
- 日本語サポートがあるか
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自動付帯なのか、利用付帯なのかを確認
クレジットカードに付帯する海外旅行保険は大きく2つに分けられます。
- 自動付帯
- 利用付帯
自動付帯とは、クレジットカードを持っているだけで自動的に適用される保険のことで、旅行の際にクレジットカードで支払いをしたかどうかは適用の条件に含まれません。
一方、利用付帯とは、航空チケットやツアー代金などを、クレジットカードで支払った場合にのみ適用される保険です。海外旅行保険が付帯したクレジットカードを所持していても、それが「利用付帯」だった場合には、クレジットカードで旅行費用を支払わないと保険が適用されません。
海外旅行の前に、自分が持っているクレジットカードがどちらに当てはまるのかを確認しておきましょう。
補償内容を確認
補償内容は、利用しているクレジットカードによって異なるので必ず確認しましょう。
特に補償項目や、補償額は絶対に覚えておきたいポイントです。
そのほか補償期間などについても、基本的には60~90日間が目安となりますが、カード会社やカード種別によっても異なるため確認が必要です。
家族の海外旅行保険がついているかを確認
クレジットカードによっては、会員本人だけでなく配偶者や子ども、あるいは両親といった家族の損害についても補償対象にできる場合があります。
会員となっているクレジットカードによって補償対象となる家族の条件(同一生計や年齢制限など)や補償項目、補償金額、適用条件に違いがあるので、きちんと契約内容を確認しましょう。また、家族特約はなくとも、家族会員になることで付帯保険を適用できるとしているものもありますので、チェックしておきましょう。
保険金請求の流れを確認
保険金請求の流れも覚えておきたいポイントです。
保険金を請求するには様々な書類が必要になるため、現地でどの書類を貰うのか覚えておくと安心できます。
主に必要なのは以下の書類です。
- 診断書
- 領収書
- 被害届
- 事故証明など
帰国後にクレジットカード会社の保険デスクに電話して申請書類を送付してもらい、現地で入手した書類や航空機チケットの写しなどの必要書類を申請書類とともに保険デスクに送付します。ですので、どのような書類が必要になるのか、現地で立替払いをしなければならないのか、いつまでにどのようなやりとりをすることになるのかについて、確認しましょう。
日本語のサポートがあるかを確認
海外旅行中にトラブルに見舞われた場合、日本語でのサポートが受けられると安心です。日本語のサポートが充実しているクレジット会社を選べば、カードを盗難・紛失した際にカードの再発行や、緊急でキャッシュサービスを受けられます。
このサービスは困ったときに電話1本で利用できることが多いので、電話番号を控えておくと良いでしょう。
急なトラブルや事故、病気など困ったときに頼れるサポートを付けておくことで、必要な手順をスムーズに進めることもできます。
まとめ
クレジットカードは使い勝手によって選ぶポイントが変わってきます。
海外旅行保険が付帯しているクレジットカードを所持することで、保険料を安く抑えたり旅行費を抑えることができるため、海外に良く行かれる方はぜひ紹介したクレジットカードを使用してみてください。
また、普段使いはポイントが貯まりやすいもの、サブカードは付帯保険を重視したものなど、特徴を活かした持ち合わせをすることで、よりクレジットカードを有効活用することができるでしょう。