法人カードは、経費清算の効率化やキャッシュフローの改善につながるなど、企業や個人事業主にとって大きなメリットが期待できます。
しかし、法人カードを発行しているカード会社は数多くあり、カード種別も多岐に渡ります。目的に合った選び方や個人カードとの違いなどがわからず迷っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、人気の法人クレジットカードを8つご紹介いたします。
網羅的に調査していますので、これ以上法人カード選びで迷うことはなくなるはずです!
法人カードとは?3つのメリット
法人カードの大きなメリットは、
- 経理処理を簡略化することが可能
- ビジネスに役立つ付帯サービスが充実している
- 法人口座からの引き落としが可能
の3つ。
経費などの支払いには法人カードを利用すると、多くのメリットがありますので、導入を検討している方は、早めの移行をおすすめしています。
経理処理を簡略化することができる
法人カードを利用することで、経費精算がシンプルになります。
例えば、出張費・接待費などの会社関連の支払いをすれば、立て替えや仮払いの心配がなくなるでしょう。
他にも
- 毎月の経費をまとめて確認できる
- そのまま経費精算システムに取り込むことができる
- 経費の計上漏れや領収書の紛失の心配がなくなる
といった経理処理上のメリットが多いため、法人カードの導入は積極的に行うのがおすすめです。
ビジネスに役立つ付帯サービスが充実している
法人カードには、ビジネスに役立つ付帯サービスが充実しているものがあります。
社員に持ってもらうことで、貯まったポイントを親カードにまとめて会社の備品を購入することで社員に還元することができるほか、出張に利用できる海外旅行保険サービスやキャッシングなども利用できるため、保険料の節約にもなります。
また、スポーツクラブの優待や健康診断の割り引きがあるものがあるので、社員の福利厚生を充実させることもできます。
会社決済型なら法人口座からの引き落としが可能
法人口座からの引き落としをすることで、毎月決まった日にお金が引き落とされることになり、支払いをずらすことも可能です。
引き落としまでの支払い猶予が発生するため、キャッシュフローが安定することも法人カードのメリットです。
法人クレジットカードのおすすめ8選
今回は、数多くの法人クレジットカードの中でも特におすすめの8つを厳選しました。
カード名 | カードのデザイン | 還元率 | 年会費 | 国際ブランド |
freee MasterCardワイド | - | 永年無料 | Mastercard | |
三井住友ビジネスカード for Owners クラシックカード | 0.50%~2.50% | 1,375円(初年度無料) | VISA | |
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード | 0.50% | 34,100円 | AMEX | |
楽天ビジネスカード | 1.00%~5.00% | 2,200円 | VISAMastercardJCB | |
オリコEX GOLD for Biz M | 0.25%~0.50% | 2,200円(初年度無料) | VISAmastercard | |
NTTファイナンスBizカード レギュラー | 1.00%~2.00% | 無料 | Mastercard | |
セゾン プラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード | 0.50%~1.00% | 22,000円 | AMEX | |
JCB CARD Biz 一般 | 0.47%~1.49% | 1,375円(初年度年会費無料) | JCB |
「freee MasterCardワイド」無料かつ多くのカードを追加可能
出典:https://www.freee.co.jp/finance/card/lifecard/corp/
年会費 | 永年無料 |
ポイント還元率(通常時) | - |
ポイント利用例 | - |
国際ブランド | Mastercard |
追加機能 | ETCカード |
保険・補償 | - |
新規入会特典 | - |
申し込み対象 | 法人代表者・個人事業主 |
設立直後の会社や、事業所得が低くても業種や職種も限定されていないため、申し込みがしやすいカードです。
さらに従業員・ETCカードカードを最大999枚まで無料追加発行できること、利用限度額が高いことが魅力です。
弁護士や税理士、社労士への相談がそれぞれ1回無料になるなどのfreeオリジナル特典も利用できます。
「三井住友ビジネスカード for Owners クラシックカード」特定の店舗で高い還元率を誇る
出典:https://www.smbc-card.com/hojin/lineup/business_owners_index.jsp
年会費 | 1,375円(初年度無料) |
ポイント還元率(通常時) | 0.50%~2.50% |
ポイント利用例 | Vポイント |
国際ブランド | VISA |
追加機能 | ETCカード・家族カード・楽天ペイ |
保険・補償 | 海外旅行保険:最大2,000万円 ショッピング保険:100万円 |
新規入会特典 | 新規入会&利用で最大10,000円分三井住友カードVJAギフトカードプレゼント |
申し込み対象 | 法人代表者・個人事業主(従業員はパートナーカードを発行) |
対象のコンビニの利用で通常ポイント+2%還元や対象の店舗を最大3つまで登録し実際に利用すると通常ポイント+0.5%の還元がされるなど、ポイント還元に強いのが特徴です。
また、登記簿謄本・決算書不要で申し込みができるため、気軽に申し込みができる点も魅力で、国内外1,000か所の宿泊施設やスポーツクラブ、英会話教室などを割引料金で利用できる福利厚生代行サービスもあるため、企業の福利厚生をより充実させることも可能です。
「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード」高い限度額で資金巡りを改善できる
出典:https://www.americanexpress.com/jp/credit-cards/gold-business-corp-card/
年会費 | 34,100円 |
ポイント還元率(通常時) | 0.50% |
ポイント利用例 | メンバーシップ・リワード |
国際ブランド | AMEX |
追加機能 | ETCカード・家族カード・Apple Pay |
保険・補償 | 海外旅行保険:最大1億円 国内旅行保険:最大5,000万円 ショッピング保険:最大500万円 |
新規入会特典 | 1年以内に200万円以上のカード利用で30,000ポイントプレゼント |
申し込み対象 | 法人代表者・個人事業主 |
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードは利用限度額に制限がないため、資金繰りや急な出費にも対応できます。
また、全国200か所以上のシェアオフィスが利用できるなどのビジネスに必要なサービスも充実。ポイントはマイルやホテルのポイントに移行が可能ですので、出張が多い企業におすすめです。
「楽天ビジネスカード」個人事業主におすすめ
出典:https://www.rakuten-card.co.jp/service/business-card/
年会費 | 2,200円 |
ポイント還元率(通常時) | 1.00%~5.00% |
ポイント利用例 | 楽天ポイント・ANAマイル |
国際ブランド | VISA・Mastercard・JCB |
追加機能 | ETCカード |
保険・補償 | - |
新規入会特典 | 楽天プレミアムカード・入会楽天ビジネスカードの新規入会で2,000ポイントプレゼント |
申し込み対象 | 法人代表者・個人事業主(楽天プレミアムカードを所持している方) |
楽天ビジネスカードはETCカードを複数枚申し込むことが可能です。1枚目は無料、2枚目以降は1枚550円でETCカードを利用でき、もちろん利用した分は楽天ポイントが貯まります。
また、Visaビジネスオファーを利用できるため、ビジネスに欠かせない各種サービスが優待特典で利用が可能です。
「オリコEX GOLD for Biz M」融資金利優待制度が利用できる
出典:https://www.orico.co.jp/business/creditcard/exgoldforbiz_m/
年会費 | 2,200円(初年度無料) |
ポイント還元率(通常時) | 0.25%~0.50% |
ポイント利用例 | 暮らスマイル・ANAマイル・JALマイル |
国際ブランド | VISA・mastercard |
追加機能 | ETCカード・Apple Pay、楽天ペイ |
保険・補償 | 海外旅行保険:最大2,000万円 国内旅行保険:最大1,000万円 ショッピング保険:最大100万円 |
新規入会特典 | - |
申し込み対象 | 法人代表者・個人事業主 |
オリコEX GOLD for Biz Mは、レストランでの優待などのサービス、福利厚生プログラムや経理システム、日本企業海外進出サポートなどのサービスが付帯しています。
また、クラウド会計ソフト freee(フリー)の有料プランが3か月分お得になること、有し金利の優待など、ビジネスに便利な特典が多いのが魅力です。
「NTTファイナンスBizカード レギュラー」年会費無料で利用できる
出典:https://www.ntt-card.com/biz/
年会費 | 無料 |
ポイント還元率(通常時) | 1.00%~2.00% |
ポイント利用例 | NTTポイント・ANAマイル |
国際ブランド | Visa |
追加機能 | ETCカード・家族カード・Google Pay・楽天ペイ |
保険・補償 | 海外旅行保険:最高2,000万円 国内旅行保険:最高2,000万円 |
新規入会特典 | - |
申し込み対象 | 法人代表者・個人事業主 |
NTTファイナンスBizカードレギュラーには年会費無料でポイント還元率1%という特徴があり、ほかのビジネスカードにはあまりありません。
1ヶ月の利用可能額は最高80万円までとなっており、毎月使う額が大きくなく、気軽にビジネスカードを作りたいという方におすすめの法人カードです。
「セゾン プラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」多くの特典・サービスが充実している
出典:https://www.saisoncard.co.jp/amex/platinumbusiness/
年会費 | 22,000円 |
ポイント還元率(通常時) | 0.50%~1.00% |
ポイント利用例 | セゾン永久不滅ポイント・ANAマイル・JALマイル |
国際ブランド | AMEX |
追加機能 | ETCカード・家族カード・Apple Pay |
保険・補償 | 海外旅行保険:最大1億円 国内旅行保険:最大5,000万円 ショッピング保険:最大300万円 |
新規入会特典 | 初年度年会費無料※ |
申し込み対象 | 法人代表者・個人事業主 |
セゾン プラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは24時間のコンシェルジュ対応があること、ホテルやダイニングでの優待、空港ラウンジが利用できること、海外旅行保険が最大1億円自動付帯していることなどが魅力。
追加カードは1枚当たり3000円で、4枚まで発行できるため、限られた人にだけ法人カードを渡したいという企業におすすめです。
「JCB CARD Biz 一般」本人書類不要で申し込める
出典:https://www.jcb.co.jp/corporate/houjin/biz.html
年会費 | 1,375円(初年度年会費無料) |
ポイント還元率(通常時) | 0.47%~1.49% |
ポイント利用例 | Oki Dokiポイント |
国際ブランド | JCB |
追加機能 | ETCカード・QUICPay・Apple Pay・Google Pay |
保険・補償 | 海外旅行保険:最大3,000万円 国内旅行保険:最大3,000万円 ショッピング保険:最大100万円 |
新規入会特典 | ①弥生会計オンラインを初年度無料で利用可能※1 ②クラウド会計ソフトfreee「法人ベーシックプラン」「個人スタンダードプラン」の初年度年会費を15%offで提供※1 ③法人カードでキャンペーン対象店舗を利用すると、Oki Dokiポイントが4倍※2 ④CB CARD Bizの新規入会で、JCBギフトカードをもれなく3,000円分プレゼント |
申し込み対象 | 法人代表者・個人事業主 |
※1 2021年3月31日まで
※2 2021年4月15日まで
JCB CARD Bizは、法人の確認書類が不要で本人確認書類の提出だけで申し込みが可能です。
会計ソフトの利用が割引になるお得なキャンペーンを行っていることや、ガソリンスタンドやレンタカーなどの優待店が多いため、ビジネスでの利用に有用です。
法人カード選びの8つのポイント
おすすめの法人カードをご紹介しましたが、どれが一番合っているんだろう?と迷ってしまう方が多いのも事実。
そこで、法人カードを選ぶ際におさえておきたい8つのポイントをご紹介いたします。
①コーポレートカードかビジネスカードかで選ぶ
法人の規模によって、法人カードは主に「コーポレートカード」と「ビジネスカード」の2つと分かれます。
- ビジネスカードー中小企業・個人事業主向け
- コーポレートカードー大企業向け
この2つはカード会社によって呼び名や基準が異なりますが、ビジネスカードは利用者が20名以下の場合、コーポレートカードは利用者が20名以上の場合に使われること多くなっています。
ですが、小規模だからビジネスカードでなければならない、大規模だからビジネスカードでなければならないということはなく、あくまでその会社にマッチしているカードかどうかの指標ですので、自分の会社に合ったものを選びましょう。
②利用限度額で選ぶ
法人カードの場合、個人カードよりも利用限度額が高い傾向にあります。
法人カードの利用限度額は、一般カードは100万円程度、ゴールドカードならば300万円程度、プラチナカードならば500万円程度が相場になっています。
利用限度額が低いカードを複数枚用意することもできますが、カードは枚数が増えるほど審査が難しくなってしまいますので、限度額が高いカードを1枚にまとめのことをおすすめします。
③利用シーンで選ぶ
法人カードをどんなシーンで利用するかによって選ぶカードも変わってきます。
出張が多い場合は旅行保険が充実していること、マイルが貯まりやすいことなどが判断基準になりますし、車での移動が多い場合はETCカードが無料で作れるものがおすすめです。
また、会食や接待に利用することが多い場合は、飲食店で優遇が受けられるカードを選ぶと良いでしょう。
④特典や付帯サービスで選ぶ
付帯サービスとしてポイント優待が付いているカードなら、さらに効率的にポイントを貯めて使うことが可能です。希望するポイント交換や移行ができるか、付帯サービスがあるかを確認してクレジットカードを選びましょう。
引用元:WAVY COLUMN
法人カードも、個人カードのようにさまざまな特典や付帯サービスがついています。福利厚生としてレストランなどで割引になるサービス、経営や経理処理に役立つ会計ソフトの連携があるなど、ビジネスに役立つサービスがついているクレジットカードを調べてみましょう。
⑤年会費の安さで選ぶ
法人カードの年会費は、無料のものから10万円程度まで幅広いです。法人カードを導入する目的に合わせて年会費とサービスが見合っているかどうかで選びましょう。
例えば、経理処理を楽にしたいという場合や予備の法人カードがほしい、といった場合は年会費無料のカードがおすすめです。
ですが、出張が多くラウンジサービスを利用したい、福利厚生を充実させたいという場合には年会費が有料の法人カードでも良いでしょう。
⑥審査の通りやすさで選ぶ
法人カードは、個人カードよりも審査が厳しいことがほとんど。経営実績や財務状況、経営者の信用情報も関わってきます。
例えば三井住友ビジネスカードfor Ownersクラシックでは、申し込み時に登記謄本や決算書が不要なので、手軽に申し込みができます。
⑦マイル・ポイント還元率で選ぶ
個人カードと違い、法人カードは利用額も多いため、ポイント還元がないカードも少なくありません。
よりお得に法人カードを利用したいという方は、まずポイント還元があるかどうか、ポイントをマイルに移行できるかどうかなどを確認したうえでカードを発行しましょう。
⑧追加カードの発行費用で選ぶ
営業メンバーに交通費としてカードを渡したいなど、追加で社員にカードを渡したいということも多いでしょう。
従業員用に追加カードを何枚発行したいかでビジネスカードにするかコーポレートカードにするかを決め、発行枚数の上限もカード会社ごとにバラバラですので、ここにも留意してカード発行を進めましょう。
法人カードは審査が厳しい?気になる審査について
法人カードの審査は限度額が大きいことから、個人カードよりも審査が厳しくなっているといわれています。
気になる審査の流れ、個人の信用情報について、審査を通すコツをご紹介します。
審査の流れ
法人カードの審査の流れは以下の通り。
- オンライン申し込みをする
- 必要書類を郵送する
- 入会審査
- カード発行
- カード到着・利用開始
カードを発行するためには、登記謄本や印鑑証明書、代表者の本人確認書類のコピーなどが必要になります。
また、JCBの法人カードは審査に通ってから本人確認書類の提出になるため、申し込みからカード発行が長くなる傾向にあります。
個人の信用情報も大切
法人カードを取得する場合には、個人の信用情報も大切になります。
代表者の借入の件数、借入額、延滞・滞納の履歴、過去の返済事故情報なども関係してきますので、こちらに問題がある場合には、法人カードの審査で不利になってしまうことも。
審査に通らなかった場合には、借入の件数・借入額を減らすこと、延滞・滞納の履歴は1年ほどで消えるため、それまで待つこと、過去の返済事故情報は5年間で消えるため、それまで返済事故を起こさないなどの方法で、個人信用情報を変える必要があります。
審査を通すコツ
法人カードでは、支払い能力である利益・売上・借入金の数値が重要になります。
法人カードを検討する場合には、黒字決算を目指し、資産にできるものは資産計上をする、特別償却よりも税額控除をするなど決算書の利益を重視し、収入は売上高で経理処理できるようにするなどの工夫をするようにしましょう。
ですが、申し込みを有利にしようと業績をよく見せて虚偽の報告をするのはNGですので、絶対にしないようにしてください。
まとめ
法人クレジットカードは、経理処理を効率化させ、従業員にもうれしいサービスが付帯されていることも多いため、まだ利用していない法人は早めに移行をしておいた方が良いでしょう。
中小企業や個人事業主の方が法人カードを利用するメリットは多いですが、選ぶのも難しいと思います。今回お伝えした選び方のポイントをしっかりと押さえたうえで、自社にあった法人カードを選んでください。